第40章

「違うよ。昨日の夜、助手の渡辺尚輝がグループに『今日の午前、会議やる』って流したじゃん。姉ちゃん、見てないの?」

大島莉理の胸が、すとんと沈む。

昨夜――田中尚哉は酒臭い息のまま、いきなり部屋へ押し入ってきた。抱きしめて一緒に寝ると言い張って、聞く耳を持たない。

当然、莉理が応じるはずもない。揉めるうちにスマホが床へ落ち、鈍い音を立てた。

それきり、電源が入らなくなった。

今朝、修理に出して直った途端に会社へ駆け込んだ。会議の連絡を知ったのは、その後だった。

研究開発部の面々は、もう次々と会議室へ入っている。これ以上、立ち止まっている場合じゃない。

「先、入ろう」

ほどなく会...

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